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宮口公認会計士・税理士事務所 【電話番号】03-4588-6375 【住所】 東京都中央区日本橋1-2-10東洋ビル6階

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個人型確定拠出年金(DC)による資産運用と節税(For個人事業主)

2016年07月01日

個人事業主による節税策として有名なものに小規模企業共済がありますが、最近では個人型確定拠出年金(DC)が普及して来ているようです。以下、個人事業主向けに絞って簡単に概要を記載します。

1.加入対象者:20歳以上60歳未満の自営業者
2.掛金:月額5,000円から上限68,000円(国民年金基金の掛金や国民年金の付加保険料と合算ベース)→全額所得控除
3.運用:預金/債券/株式/投信/不動産(REIT)などから各自が選択→運用益は非課税
4.給付:60歳になると老齢給付金が受領可能→一時金の場合は退職所得控除、年金の場合は公的年金等控除

①掛金所得控除、②運用益非課税、③給付金各種所得控除の3つの税務メリットにより、運用益が生じなくても個人事業主には節税メリットが生じることになり、現行の税制を前提とすれば、資産運用手法として大変に有用と思います。

小規模企業共済との併用も可能ですので、小規模共済の掛金限度額(年額84万円)とあわせると最高で165.6万円の所得控除が可能となり、最高税率(55%)ベースで約91万円の節税になるわけです。投資優遇制度としてはNISAがありますが、節税効果だけで見れば個人型DCに軍配が上がります。

現在、多数の銀行や証券会社が申込みを受け付けていますが、投資可能な商品のラインナップや手数料の多寡で購入先を決めればよいかと思います。

以上、よいことばかり書きましたが、留意点としては小規模企業共済のような契約者貸付けの制度がないことや、60歳になるまで引き出せないことが挙げられます。簡単に引き出せては老後に向けた貯蓄が出来なくなるということもありますので一概にデメリットとは言えないのかもしれませんが。後は当たり前ですが、元本確保以外の商品に投資した場合に投資により損失が生じる可能性があるという点です。

興味があれば各種金融機関を紹介することも可能ですのでご相談ください。

宮口

ベンチャーファイナンスの進化

2016年04月23日

所長の宮口です。最近、IPOに向けた非上場会社の株式評価を依頼されることが多いのですが、フィンテック系のベンチャー企業(VB)の株価評価を行った際、ベンチャーキャピタル(VC)の優先株出資が多数入っており、非常に勉強になりました。昨日TMI総合法律事務所の弁護士によるセミナーにも参加しましたが、最近のVC出資の大半は種類株出資とのことです。私も2000年のIPOバブルの時代には証券会社で公開引受けを担当していましたが、当時のVCはほぼ全て普通株出資でしたので、時代の流れを感じます。シリコンバレーのベンチャー企業のファイナンススキームを輸入したものですが代表的な商品設計を以下、ご紹介します。

1.日本版コンバーティブルノート(Convertible Note)

ベース:転換社債型新株引受権付社債
利息:無利息
満期及び償還:3年後に額面償還
転換価格:①今後行われる増資の発行価格の80%に相当する額と②1億円÷発行済株式総数のいずれか低い方

シード期のVBでValuation(株式評価)が難しい場合に、手っ取り早く資金調達する際によく用いられる手法です。転換価格につき今後の増資価格の80%水準とすることにより、常に利益が得られる状態を確保できます。また増資価格が跳ね上がった場合に備えて上記②のように一定のキャップが設定されるケースが多いようです。

2.種類株式

シード期を脱したVBに対するVC出資は以下のような商品設計の種類株式が多いようです。

優先配当:出資額☓数%の優先配当権(参加・非累積型)
残余財産分配:出資額相当額の優先分配権(参加型)。M&Aなど流動化イベント発生時には清算とみなして同様の取扱い(みなし清算事由)
取得請求権:いつでも普通株式1株に転換可能
取得条項:IPO申請の取締役会決議時に強制的に普通株式1株に転換可能

VB投資のリスクを軽減するために優先分配権を定めて出資額の回収を図る設計となっています。通常、VBはIPOに至る過程で数次のラウンドの増資を行いますので複数の優先株式が併存することになりますが、一般的には後発の増資が優先的に分配を受ける権利を有する設計にするケースが多いとのことです。日本の上場実務上、原則として種類株式の持越しが認められていないため、IPO申請前に取得条項が行使され強制的に普通株に転換されます。

こうした株式ををどう時価評価するかはとても悩ましい問題ですが、日本の会計基準上、絶対的な基準はありません。
公認会計士協会が公表している「種類株式の評価事例」では、普通株式に優先分配権分のプットオプションが付されたものと整理して、「優先株式時価=普通株式時価+プットオプション価値☓行使確率」で評価する手法が紹介されています。この場合、プットオプション価値はブラックショールズモデル等で評価するにしても、オプションの行使確率は主観が介在せざるを得ないという問題が残ります。なお、上記評価事例では、VC投資のM&AによるEXITの実績データから80%とされています。

また、有限責任監査法人トーマツの経済産業省向け報告書「平成23年度ベンチャー企業における発行種類株の価値算定モデルに関する調査」では、米国の会計士協会が公表したガイドラインが紹介されており、優先株式は普通株式ともに企業価値をシェアするコールオプションであるとの整理のもと、オプション評価モデルにより、優先株の評価を行う手法などが紹介されています。ただし、この場合も直近の増資価格が将来期待も含めた株式の公正価値を示すとの理解のもとで、増資価格を持って時価とする手法(backsolve method)が併用されるようであり、種類株式時価の定量化の難しさが感じられます。(米国の会計実務に関する理解が浅いため、誤りあればお教え頂けると幸いです。)

なお、優先配当権についてはIPOを目指すVBは通常配当をすることは想定されていないので付与する意味は薄く、仮に付与されていたとしても時価評価上、考慮する必要はないものと思います。

以上、半分以上、自分の備忘のために記載していますがご参考まで。証券会社を退職して10年以上期間が立ちますが、肌感覚は残っていますので、これを機に最新実務のアップデートに努めて行きたいと考えています。通常の会計士・税理士よりは知見とネットワークを有していますのでVBやVCの方はお気軽にお問い合わせください。

米国不動産投資による節税策

2015年10月10日

今週、とある不動産業者の方と面談し、米国不動産投資による節税策の説明を受けました。

米国の中古アパートやコンドミニアムに投資し、5年経過時に売却することで節税メリットを享受するスキームです。

木造アパートの法定耐用年数は22年ですが、中古資産の耐用年数が使えますので耐用年数が経過した資産の耐用年数は4年となります。米国不動産を対象とする目的は、中古市場が成熟しており売りやすいことと、日本とは異なり、建物の価値が減価しない点にあるとのことです。一般的には物件価格のうち70%から80%が建物部分として評価されるため、多額の償却損が取れるとのことでした。

減価償却費の計上により不動産所得の赤字を計上して給与と相殺し、節税を図ったのち、長期所得となる5年後に売却して、投資回収を図ります。例えば利回り5%の物件価格10,000(内建物7,000、土地3,000)の物件を米国で調達したローン(金利5%)で取得した場合、賃料と金利が同額のため投資利益はでませんが、5年間で建物簿価7,000の償却費がとれますので、仮に物件が取得時と同額の10,000で売れた場合、譲渡益が7,000生じます。

仮に投資家が最高税率55%の高額所得者であれば、償却費と給与の相殺により、3,850(7,000×55%)の所得税が減少する一方、売却益に対して1,400(7,000×20%)の所得税がかかりますので差引き2,450(税率35%分)もの節税が可能となります。

現状、米国も不動産市況が活況であり、4%~8%程度の利回りしか見込めない点は、日本の不動産投資と同様ですが、節税メリットを考慮した場合、検討に値する投資スキームと思いました。なお、不動産投資ですので、当然に空室リスクがあり、現地の管理会社を使うコストがかかること、また、為替リスクもありますので慎重な判断が必要です。投資は自己責任でお願いいたします。

ご興味があれば、ご相談ください。

黒字企業に強い税理士と赤字企業に強い税理士

2014年11月12日

所長の宮口です。独立前は大手の外資系税理士法人にいたため、顧問先はほとんど黒字企業でしたが、独立してから赤字の企業にも関与することが多くなり、求められるサービスが根本的に異なることにようやく気がついてきました。黒字企業であれば節税のアドバイスが求められますが、赤字企業はそもそも税金を支払っていないため、会社存続のための資金繰りや資金調達のサポートがメインのニーズとなります。キーワードで整理すると以下のような違いです

黒字企業:各種税額控除、節税商品(保険、リースなど)、共済制度(中小企業共済、倒産防止共済)、M&A・事業承継コンサルティング

赤字企業:事業再生税制、補助金、低利融資制度、経営計画、事業再生・廃業コンサルティング

業種に特化する税理士がいるように、黒字専門、赤字専門という看板を掲げて営業してもおもしろいのかもしれません。当然にできれば黒字の会社とお付き合いしたいものですが、赤字事業をサポートして黒字化させることは社会的な意義もありますのでどちらかというと不足がちな赤字企業向けノウハウを重点的に蓄積するようにしていきたいと思います

宮口

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