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宮口公認会計士・税理士事務所 【電話番号】03-4588-6375 【住所】 東京都中央区日本橋1-2-10東洋ビル6階

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【速報】平成29年度税制改正大綱が公表されました!

2016年12月08日

本日、平成29年度税制改正大綱が自由民主党のホームページにて公表されました。

詳細はこれから確認しますが、以下のとおり資産税関連の改正が目白押しです。

①類似業種比準方式の見直し
②株式保有特定会社の見直し
③事業承継税制の緩和
④タワマン課税の適正化
⑤クロスボーダー贈与の強化と緩和

本ブログでも頭出ししていましたが、ついに非上場株式の評価方法が改正されることになります。
類似業種比準方式については、①類似業種の株価について過去2年平均が使えるようになるとともに、②類似業種の業績数値は連結決算が反映されることになります。また、③配当/利益/純資産のウェイトが現行の1:3:1から1:1:1に戻されることになります。

法人課税についてはスピンオフの無税化やスクイーズアウト時の対価要件の柔軟化など久しぶりに組織再編税制が大きく変更される点が興味深いところです。また、国際税務では外国子会社合算税制(タックスヘイブン税制)が大幅に見直されます。

懸案の中小法人特例についてはついにメスが入り、平成31年4月1日以後開始事業年度からは、資本金が1億円以下であっても、過去3事業年度の平均所得が15億円を超える事業年度について適用されないこととされました。

法人課税については来年1月6日発行予定の「旬刊経理情報」に速報を寄稿しますのでご興味ある方はご覧になってください。

宮口

生命保険を用いた節税策

2016年09月23日

ポピュラーですが生命保険を用いた法人の節税策についてまとめます。

1.基本形

 よくあるケースは役員退職金の支給原資確保のため社長を被保険者とした逓増定期保険に加入するケースです。保険料は1/2が損金算入されるケースが多いですが、加入から4~5年後に解約返戻率が85~95%と高率になるため、退職の5年前程度に加入するケースが多いです。
 例えば死亡保険金1億円、年間保険料26百万円の定期保険に加入し、4年間保険料を支払った上で、5年目に解約し、累計保険料の90%の解約返戻金を退職金として支払った場合の収支は以下のように計算されます。なお、法人実効税率は35%と仮定します。

1年目~4年目:累計支払保険料▲104百万円(26百万円×4年)+累計節税効果18百万円(26百万円×1/2×法人実効税率35%×4年)=▲86百万円(①)
5年目:解約返戻金94百万円(104百万円×90%)-税金0=94百万円(②)

解約時の税金がゼロなのは退職金として94百万円支払うためで、保険会社の営業用資料では②÷①で、返戻率109%などと表記されますが、保険契約単体で考えると単に利益を繰延べているだけであり、10%のコストを支払っているに過ぎない点は気を付ける必要があります。ただし、退職金や設備投資など将来に損失が生じることが明らかなのであれば利益を繰延べて損金効果を前倒しでとるメリットが生じます。また、業績変動が激しい会社なども黒字の時期に保険加入しておき、利益を平準化することがまさにリスクヘッジとなります。

さらに保険料の損金算入により、課税所得を引き下げることにより、類似業種比準方式や純資産価額などの税務上の株式評価額も低下しますので、事業承継対策に活用することも有用です。

2.応用形(低解約返戻金型逓増定期保険の譲渡)

これは、契約当初は解約返戻率が極端に低く、ある時点で高くなる「低解約型逓増定期保険」を用いて会社の所得を個人にシフトすることで節税を図るスキームです。
 例えば上記1に記載した逓増定期保険の解約返戻率が4年目終了時点では10%と仮定した場合、4年間、会社で保険料を支払った上で社長に時価(解約返戻金額)で譲渡し、5年目に社長が解約した場合の収支は以下のようになります。なお、社長の所得税率は仮に20%で計算しています。

(法人)
1年目~4年目:累計支払保険料▲104百万円(26百万円×4年)+累計節税効果18百万円(26百万円×1/2×法人実効税率35%×4年)=▲86百万円(①)
4年目末:譲渡代金10百万円(104百万円×返戻率10%)+税効果15百万円((譲渡代金10百万円-保険積立金52百万円)×35%)
   =15百万円(②)

(社長)
4年目末:譲渡代金▲10百万円(③)
5年目:解約返戻金94百万円-所得税8百万円(((返戻金94百万円-取得価格10百万円-控除額0.5百万円)×1/2)×20%)
   =86百万円(④) ①+②+③+④=5百万円

返戻率による10%の費用負担はあるものの、法人で費用を計上し35%の税効果を取りつつ、個人では一時所得として低率課税を受けることで節税が図れることになります。ただし、近年税務当局もこうした節税策を問題視しつつあり、平成30年1月以降の名義変更については保険会社が税務署に提出する法定調書に記載されることになったため、通達の改正や執行も含めて留意する必要があります。

宮口

103万円と130万円の壁(For個人事業主)

2016年09月18日

個人事業主の節税の王道として奥さんに給与を支払う青色専従者控除の制度があります。当然に給与をもらう奥さんは所得税が課税されるわけですが、事業主よりも適用税率が低いため、奥さんに所得をシフトすることで夫婦全体で見ると節税となる理屈です。

ここで奥さんの年収を103万円未満にすると給与所得控除65万円と基礎控除38万円が差し引かれて奥さんの所得がゼロになり課税されないのはパートの103万円の壁としてよく知られていますが、住民税は基礎控除が35万円なので年収が100万円を超えると課税が生じることを最近知りました。どうして基礎控除について差異が生じるのか税金のマニアックなところです。

また、社会保険については年収が130万円を超えるとご主人の扶養を外れるため、国民年金や健康保険への加入義務が生じます。節税の観点からは奥さんへの給与は多額の方がよいのですが、この扶養を外れるという点に心理的抵抗が大きく130万円の範囲で給与を支払うケースも多い気がします。

当方会計士あがりの税理士のため社会保険の分野はあまり知見がないのですが、個人のお客様を相手にする場合、税務と社保の両面を考慮したアドバイスが求められると感じており、意識的に学習するようにしています。個人事務所で給与計算の経験を積んだ税理士の方であれば何を今更という論点だと思いますが、大法人の税務に特化していた私としては非常に興味深く、今後ノウハウを貯めていこうと思っています。

宮口

個人型確定拠出年金(DC)による資産運用と節税(For個人事業主)

2016年07月01日

個人事業主による節税策として有名なものに小規模企業共済がありますが、最近では個人型確定拠出年金(DC)が普及して来ているようです。以下、個人事業主向けに絞って簡単に概要を記載します。

1.加入対象者:20歳以上60歳未満の自営業者
2.掛金:月額5,000円から上限68,000円(国民年金基金の掛金や国民年金の付加保険料と合算ベース)→全額所得控除
3.運用:預金/債券/株式/投信/不動産(REIT)などから各自が選択→運用益は非課税
4.給付:60歳になると老齢給付金が受領可能→一時金の場合は退職所得控除、年金の場合は公的年金等控除

①掛金所得控除、②運用益非課税、③給付金各種所得控除の3つの税務メリットにより、運用益が生じなくても個人事業主には節税メリットが生じることになり、現行の税制を前提とすれば、資産運用手法として大変に有用と思います。

小規模企業共済との併用も可能ですので、小規模共済の掛金限度額(年額84万円)とあわせると最高で165.6万円の所得控除が可能となり、最高税率(55%)ベースで約91万円の節税になるわけです。投資優遇制度としてはNISAがありますが、節税効果だけで見れば個人型DCに軍配が上がります。

現在、多数の銀行や証券会社が申込みを受け付けていますが、投資可能な商品のラインナップや手数料の多寡で購入先を決めればよいかと思います。

以上、よいことばかり書きましたが、留意点としては小規模企業共済のような契約者貸付けの制度がないことや、60歳になるまで引き出せないことが挙げられます。簡単に引き出せては老後に向けた貯蓄が出来なくなるということもありますので一概にデメリットとは言えないのかもしれませんが。後は当たり前ですが、元本確保以外の商品に投資した場合に投資により損失が生じる可能性があるという点です。

興味があれば各種金融機関を紹介することも可能ですのでご相談ください。

宮口

IPO企業のIFRS適用

2016年06月17日

コメダ珈琲が6月末に上場することになり久々の大型案件として話題になっていますが、同社はIFRS(国際会計基準)を任意適用しています。従来は未公開企業はIFRSの適用は認められませんでしたが、2013年に適用要件が緩和されて徐々に適用事例が出てきています。

【IFRS適用のIPO企業】
2014年10月:すかいらーく
2014年12月:テクノプロホールディングス
2015年11月:ベルシステム24ホールディングス
2015年12月:ツバキ・ナカシマ

(詳細は東証HPを参照)

上記の会社に共通するのは投資ファンドの出資会社であり、投資ビークルと対象会社との合併などにより、会計上、多額ののれんが発生している点です。日本基準ですとのれんは20年以内の合理的な期間で償却されますので、純資産及び利益の下押し要因となりますが、IFRSですとのれんの償却が不要ですので、財務体質が強化されるとともに一株当り利益も高くなりますので、より高い株価が期待できる効果を狙っているものと推察されます。

一方で、IFRSでは毎期のれんの減損テストを行います。将来キャッシュフローの割引現在価値がのれん簿価に満たない場合、差額が減損処理されることになります。減損処理が行われると損益が大幅に悪化してしまいますので、IFRSを適用する場合、将来の影響も十分考慮する必要があります。

こうした減損テストは株式のDCF評価と同様に、事業計画や割引率に主観が介在しますので、財務諸表利用者は十分留意する必要があります。有価証券評価における株価の回復可能性の見積もり、税効果会計における欠損金の回収可能性の見積もり、退職給付債務計上における各種基礎率や割引率の見積もり、資産除去債務の見積もりなど、2000年の会計ビックバン以降の各種会計基準の導入は、斜めから見れば全て会計に主観を持ちこむ改正です。東芝の工事進行基準の悪用による利益操作も総費用や進捗度の見積りという主観が介在する基準ゆえに行い得たものであり、会計基準の改正により経理操作の余地が高まっている点が一般に理解されていない点が問題と考えています。

こうした見積りを検証するのが公認会計士による会計監査なのですが、事業のプロが立てた見積りに(会計はプロでも)事業の素人である会計士が異を唱えるのは非常に難しく、現行の会計監査制度の限界を感じます。

以前、会計士として上場企業監査を行っていた時代は、税務基準の非上場企業の決算書を一段低く見ていましたが、税理士として非上場企業の税務基準の決算書を多く見る中で、税務決算書は余計な見積もりがなされておらず、意外に有用な資料であるとも思うようにもなりました。(金商法会計ではP/L処理が理論的に純化されることによる欠点を、キャッシュ・フロー計算書という別の書類の導入で補完しているということも言えますが。)

M&Aにおける財務DDにおいても、ターゲットは上場企業だからDDは形式的にやっておけばよい的な理解があると思いますが、むしろ上場企業であるからこそ、会社や監査人の主観により開示数値が作られているという視点は持っておくべきかと思います。

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