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宮口公認会計士・税理士事務所 【電話番号】03-4588-6375 【住所】 東京都中央区日本橋1-2-10東洋ビル6階

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新型コロナに係る緊急経済対策

2020年04月08日

昨日、政府より新型コロナ感染症に係る緊急事態宣言が出されましたが、それに伴う緊急経済対策が閣議決定されました。本文については内閣府のサイトで入手できます。また、税制措置につき、国税については財務省のサイトで、地方税については総務省のサイトで資料が公表されています。

以下、個人事業主や企業に係る財務面の措置について要点を記載します。→以下の記載は筆者の解説ないし私見です。

1.雇用の維持

①緊急対応期間(4月1日~6月30日)について雇用調整助成金の助成率を中小企業9/10、大企業3/4に引き上げる
②非正規雇用労働者も雇用調整助成金の対象に含める

2.資金繰り支援

日本政策投資銀行や商工中金を通じて無利子融資等

3.事業者への支援

事業収入が前年同月比50%以上減少した事業者について中堅・中小企業は200万円、個人事業主は100万円を上限として減少額を給付(「持続化給付金」)
上記給付金は電子申請を原則とするなど可能な限り簡便な手続きとし、給付までの期間を極力短くする

→上記の事業収入は売上高と想定しますが、事業収入減少の具体的な判定月などの情報は現時点では不明です。頂けないよりはよいのですが、中堅企業で200万円ですと金額規模が少なすぎるとの印象は否めません。

4.個人への支援

世帯主の月間収入(20年2月~6月の任意の月)が、①新型コロナウイルス発症前と比べて減少し、かつ年間ベースに引き直して個人住民税非課税水準となる低所得世帯や、②新型コロナウイルス発症前と比べて大幅減少(半減以上)し、かつ年間ベースに引き直して個人住民税非課税水準の2倍以下となる世帯に対して、1世帯当たり30万円(非課税)を給付

→住民税非課税世帯とは単身世帯で年収100万円程度、扶養親族2名で年収200万円程度の世帯なので大部分の会社員は支給要件に該当しません。識者も指摘しているように本件支援の趣旨が不明確であり、支給範囲がかなり狭くなった点は残念に感じます。①は元々かなり年収が低い世帯ですが、②は給与所得者を前提とした場合、退職でもしない限り、月収半減はまずしないと思います(一部歩合給の比率が高い職種を除く)。そうするとコロナを期に退職した方につき非課税の退職手当が国から30万円支給されるイメージの制度となり、本経済対策の主目的である雇用の維持に反する効果を生みかねない側面があります。また、悪用されるリスクもある点(例えば一時的・意図的に無職となって給付金を受領する等)をどう排除するかも課題となります。

5.税制措置

①収入に相当の減少があった事業者の国税・地方税及び社会保険料について、無担保かつ延滞税なしで1年間納付を猶予する特例を創設

→「収入の相当な減少」とは、「令和2年2月から納期限までの一定の期間 (1か月以上)において、収入が前年同期比概ね20%以上減少」です。また、外出自粛の観点からは納付期限と合わせて申告期限も延長してほしいと考えていますが、会計事務所としては早期に取り扱いを公表して頂きたいと思っています。 

→法人税の申告について国税庁の取扱いが公表されており、以下のような事情にあれば事前の申請なく期限の延長が認められるとのことです(4月10日追記)。

・体調不良により外出を控えている方がいること
・平日の在宅勤務を要請している自治体にお住いの方がいること
・感染拡大防止のため企業の勧奨により在宅勤務等をしている方がいること
・感染拡大防止のため外出を控えている方がいること

②資本金1億円超10億円以下の企業について生じた欠損金につき法人税等の還付を認める

→現行制度では資本金1億円以下の中小法人のみに法人税の繰戻し還付が認められていますが、当該制度の適用範囲を拡大するものです。なお、法人税「等」とありますが、現行制度を前提とすれば「等」は地方法人税であり住民税や事業税は還付できません。

③厳しい経営環境等にある中小事業者等に対して、令和3年度課税に限り、償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税を1/2又はゼロとする

→「厳しい経営環境等にある中小事業者等」とは「令和2年2月~10月までの任意の3ヵ月間の売上高が、前年の同期間と比べて、①30%以上50%未満減少している者と②50%以上減少している者」になります。①については税額が1/2、②についてはゼロとなります。軽減を受けるためには令和3年1月31日までに認定経営革新等支援機関(当事務所は認定を受けています。)の認定を受けて申告する必要があります。

一日も早い収束を願いつつ、当事務所でもクライアント企業に対して出来る限りの支援を行っていきたいと考えています。

宮口

(2020年4月10日一部内容更新)

保険税務の大改正

2019年07月12日

2019年6月28日に法人税基本通達が改正され、法人保険についての税制が変更されました。40年ぶりの大改正とのことです。

解約返戻金のある保険については2019年7月8日以降の新規契約分から適用となります。
通達公表即施行ですし、春先は保険会社が節税保険の販売を自粛していたようですのでる駆け込み購入も難しかったようです。なお、既存の契約は影響はありません。

改正の要点は以下の通りです。
①従来、商品別に決められていた損金算入の扱いを一本化:対象は長期平準定期保険や逓増定期保険などの定期保険や第三分野保険など
②最高解約返戻率が50%以下の商品については保険料は全額損金算入
③最高解約返戻率(85%超)の商品については最高返戻率となるまでの期間(最低5年)について以下の金額を資産計上
(例えば解約返戻率90%の保険の場合、当初10年間は保険料の81%が資産計上されるため19%しか損金計上できないことになります。)

 当初10年間:支払保険料 ✖ 最高解約返戻率 ✖ 0.9
 11年以降:支払保険料 ✖ 最高解約返戻率 ✖ 0.7 

上記改正により、従来のような高返戻率かつ高率損金算入という役員保険はなくなりました。今後、各社から新通達をベースとした商品が販売されることになるとは思いますが(例えば確定の返戻率は低めに抑えつつ、運用益を追加還元する保険など)、実質ノーリスクで課税が繰り延べられる商品の開発は中々難しいのではと考えています。

既存契約は対象外とされたのが救いですが、既存契約の解約時の出口戦略につき他の保険への乗り換えができなくなってしまったのが悩ましいところです。

代替案ですが、養老保険によるハーフタックスプランは今般の通達改正の対象とはならなかったので今後も適用可能ですが、原則は全従業員を対象とした福利厚生とする必要があるので役員など特定者のみ対象とした取り扱いは役員賞与認定されるリスクがあります。

もしくは資金が寝る分、保険よりは使い勝手が悪いですが、オペレーティングリースなども商品によっては保険よりも早期償却できるので検討の対象に加えてもよいかもしれません。

今後の保険会社の動向もウオッチしていきたいと思います。

個人型確定拠出年金(DC)による資産運用と節税(For個人事業主)

2016年07月01日

個人事業主による節税策として有名なものに小規模企業共済がありますが、最近では個人型確定拠出年金(DC)が普及して来ているようです。以下、個人事業主向けに絞って簡単に概要を記載します。

1.加入対象者:20歳以上60歳未満の自営業者
2.掛金:月額5,000円から上限68,000円(国民年金基金の掛金や国民年金の付加保険料と合算ベース)→全額所得控除
3.運用:預金/債券/株式/投信/不動産(REIT)などから各自が選択→運用益は非課税
4.給付:60歳になると老齢給付金が受領可能→一時金の場合は退職所得控除、年金の場合は公的年金等控除

①掛金所得控除、②運用益非課税、③給付金各種所得控除の3つの税務メリットにより、運用益が生じなくても個人事業主には節税メリットが生じることになり、現行の税制を前提とすれば、資産運用手法として大変に有用と思います。

小規模企業共済との併用も可能ですので、小規模共済の掛金限度額(年額84万円)とあわせると最高で165.6万円の所得控除が可能となり、最高税率(55%)ベースで約91万円の節税になるわけです。投資優遇制度としてはNISAがありますが、節税効果だけで見れば個人型DCに軍配が上がります。

現在、多数の銀行や証券会社が申込みを受け付けていますが、投資可能な商品のラインナップや手数料の多寡で購入先を決めればよいかと思います。

以上、よいことばかり書きましたが、留意点としては小規模企業共済のような契約者貸付けの制度がないことや、60歳になるまで引き出せないことが挙げられます。簡単に引き出せては老後に向けた貯蓄が出来なくなるということもありますので一概にデメリットとは言えないのかもしれませんが。後は当たり前ですが、元本確保以外の商品に投資した場合に投資により損失が生じる可能性があるという点です。

興味があれば各種金融機関を紹介することも可能ですのでご相談ください。

宮口

ベンチャーファイナンスの進化

2016年04月23日

所長の宮口です。最近、IPOに向けた非上場会社の株式評価を依頼されることが多いのですが、フィンテック系のベンチャー企業(VB)の株価評価を行った際、ベンチャーキャピタル(VC)の優先株出資が多数入っており、非常に勉強になりました。昨日TMI総合法律事務所の弁護士によるセミナーにも参加しましたが、最近のVC出資の大半は種類株出資とのことです。私も2000年のIPOバブルの時代には証券会社で公開引受けを担当していましたが、当時のVCはほぼ全て普通株出資でしたので、時代の流れを感じます。シリコンバレーのベンチャー企業のファイナンススキームを輸入したものですが代表的な商品設計を以下、ご紹介します。

1.日本版コンバーティブルノート(Convertible Note)

ベース:転換社債型新株引受権付社債
利息:無利息
満期及び償還:3年後に額面償還
転換価格:①今後行われる増資の発行価格の80%に相当する額と②1億円÷発行済株式総数のいずれか低い方

シード期のVBでValuation(株式評価)が難しい場合に、手っ取り早く資金調達する際によく用いられる手法です。転換価格につき今後の増資価格の80%水準とすることにより、常に利益が得られる状態を確保できます。また増資価格が跳ね上がった場合に備えて上記②のように一定のキャップが設定されるケースが多いようです。

2.種類株式

シード期を脱したVBに対するVC出資は以下のような商品設計の種類株式が多いようです。

優先配当:出資額☓数%の優先配当権(参加・非累積型)
残余財産分配:出資額相当額の優先分配権(参加型)。M&Aなど流動化イベント発生時には清算とみなして同様の取扱い(みなし清算事由)
取得請求権:いつでも普通株式1株に転換可能
取得条項:IPO申請の取締役会決議時に強制的に普通株式1株に転換可能

VB投資のリスクを軽減するために優先分配権を定めて出資額の回収を図る設計となっています。通常、VBはIPOに至る過程で数次のラウンドの増資を行いますので複数の優先株式が併存することになりますが、一般的には後発の増資が優先的に分配を受ける権利を有する設計にするケースが多いとのことです。日本の上場実務上、原則として種類株式の持越しが認められていないため、IPO申請前に取得条項が行使され強制的に普通株に転換されます。

こうした株式ををどう時価評価するかはとても悩ましい問題ですが、日本の会計基準上、絶対的な基準はありません。
公認会計士協会が公表している「種類株式の評価事例」では、普通株式に優先分配権分のプットオプションが付されたものと整理して、「優先株式時価=普通株式時価+プットオプション価値☓行使確率」で評価する手法が紹介されています。この場合、プットオプション価値はブラックショールズモデル等で評価するにしても、オプションの行使確率は主観が介在せざるを得ないという問題が残ります。なお、上記評価事例では、VC投資のM&AによるEXITの実績データから80%とされています。

また、有限責任監査法人トーマツの経済産業省向け報告書「平成23年度ベンチャー企業における発行種類株の価値算定モデルに関する調査」では、米国の会計士協会が公表したガイドラインが紹介されており、優先株式は普通株式ともに企業価値をシェアするコールオプションであるとの整理のもと、オプション評価モデルにより、優先株の評価を行う手法などが紹介されています。ただし、この場合も直近の増資価格が将来期待も含めた株式の公正価値を示すとの理解のもとで、増資価格を持って時価とする手法(backsolve method)が併用されるようであり、種類株式時価の定量化の難しさが感じられます。(米国の会計実務に関する理解が浅いため、誤りあればお教え頂けると幸いです。)

なお、優先配当権についてはIPOを目指すVBは通常配当をすることは想定されていないので付与する意味は薄く、仮に付与されていたとしても時価評価上、考慮する必要はないものと思います。

以上、半分以上、自分の備忘のために記載していますがご参考まで。証券会社を退職して10年以上期間が立ちますが、肌感覚は残っていますので、これを機に最新実務のアップデートに努めて行きたいと考えています。通常の会計士・税理士よりは知見とネットワークを有していますのでVBやVCの方はお気軽にお問い合わせください。

米国不動産投資による節税策

2015年10月10日

今週、とある不動産業者の方と面談し、米国不動産投資による節税策の説明を受けました。

米国の中古アパートやコンドミニアムに投資し、5年経過時に売却することで節税メリットを享受するスキームです。

木造アパートの法定耐用年数は22年ですが、中古資産の耐用年数が使えますので耐用年数が経過した資産の耐用年数は4年となります。米国不動産を対象とする目的は、中古市場が成熟しており売りやすいことと、日本とは異なり、建物の価値が減価しない点にあるとのことです。一般的には物件価格のうち70%から80%が建物部分として評価されるため、多額の償却損が取れるとのことでした。

減価償却費の計上により不動産所得の赤字を計上して給与と相殺し、節税を図ったのち、長期所得となる5年後に売却して、投資回収を図ります。例えば利回り5%の物件価格10,000(内建物7,000、土地3,000)の物件を米国で調達したローン(金利5%)で取得した場合、賃料と金利が同額のため投資利益はでませんが、5年間で建物簿価7,000の償却費がとれますので、仮に物件が取得時と同額の10,000で売れた場合、譲渡益が7,000生じます。

仮に投資家が最高税率55%の高額所得者であれば、償却費と給与の相殺により、3,850(7,000×55%)の所得税が減少する一方、売却益に対して1,400(7,000×20%)の所得税がかかりますので差引き2,450(税率35%分)もの節税が可能となります。

現状、米国も不動産市況が活況であり、4%~8%程度の利回りしか見込めない点は、日本の不動産投資と同様ですが、節税メリットを考慮した場合、検討に値する投資スキームと思いました。なお、不動産投資ですので、当然に空室リスクがあり、現地の管理会社を使うコストがかかること、また、為替リスクもありますので慎重な判断が必要です。投資は自己責任でお願いいたします。

ご興味があれば、ご相談ください。

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