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新型コロナウイルスに係る法人の申告期限に関して

2020年04月13日

3月決算会社の税務申告について以下、現状をまとめます。4月13日11時30分現在の情報です。

1.国税

国税(法人税、消費税等)については国税庁から取扱いが公表されており、「やむを得ない理由」がある場合、申請により個別に申告・納付期限の延長が認められます。具体的には以下とおり例示されており、広範に認められます。なお、申請を別途行う必要はなく、申告書や納付書に延長申請である旨、記載すれば足ります。

この、やむを得ない理由については、例えば、法人の役員や従業員等が新型コロナウイ ルス感染症に感染したようなケースだけでなく、次のような方々がいることにより通常 の業務体制が維持できないことや、事業活動を縮小せざるを得ないこと、取引先や関係 会社においても感染症による影響が生じていることなどにより決算作業が間に合わず、 期限までに申告が困難なケースなども該当することになります。 ① 体調不良により外出を控えている方がいること ② 平日の在宅勤務を要請している自治体にお住いの方がいること ③ 感染拡大防止のため企業の勧奨により在宅勤務等をしている方がいること ④ 感染拡大防止のため外出を控えている方がいること

2.地方税

地方税については取扱いが明示されていません。東京都の都税のサイトでは以下のとおり災害延長の制度が解説されていますが、この制度については申告前に申請書の提出が必要となります。

A6以下の(1)のとおり、税目の限定がない申告期限の延長制度があります。また、(2)のとおり、法人事業税・特別法人事業税・地方法人特別税に固有の申告期限の延長制度があります。なお、税務署に法人税の申告期限の延長申請が認められた場合には、法人税の申告期限と一致する法人都民税の申告期限も延長されます。延長については、法人税に準じて取り扱いますので、税務署へ提出した申請書の控の写しを添付してください。

この点、法人税同様に全ての税目について事前の申請書の提出を不要として頂きたく、取扱いの明確化を図って頂きたいと考えています。

宮口

【税制改正大綱速報②】グループ通算制度の導入

2019年12月14日

昨日に引き続いて税制改正の情報です。従来の連結納税制度が令和4年4月1日以後開始年度から「グループ通算制度」に移行になります。

基本的なコンセプトは現行制度が維持されますが、変更のポイントは以下の3点と理解しました。

1.  個別申告への移行と他社の所得変動の影響回避
2.  時価評価、欠損金の取扱いにつき親法人と子法人の取扱いを平等にする(中小法人判定、資産時価評価、欠損金の取扱い等)
3.  時価評価、欠損金切捨て/持込みの要件を組織再編税制と整合的なものとする

グループ1社の所得修正がグループ全社の所得修正につながるなど現行連結納税制度のデメリットが解消される他、金銭対価M&A時のターゲット会社資産の時価評価や欠損金の切捨てがなくなるなど全体的には歓迎すべき改正ですが、子法人に対する親法人の優位性が失われたため、親会社法人の欠損金が特定欠損金とされて子会社所得と通算できなくなるなどの不利変更もありますので(いわゆるSRLYルールの適用)、本改正によりグループ通算制度導入を検討されている会社はより慎重に検討する必要があります。

以下、備忘を兼ねてポイントを記載します。

1.損益通算の仕組み

  • 欠損法人の欠損金合計額を所得法人の所得合計でプロラタ按分(欠損法人に益金を計上して所得法人で損金計上)
  • 税務調査等による事後的な否認が行われた場合でも上記プロラタ計算に影響させないようにする

 

2.開始・加入時の資産時価評価

  • 開始時には親法人との完全支配関係の継続が見込まれれば時価評価不要に
  • 時価評価対象に親会社も追加。いずれかの子法人と間に完全支配関係の継続が見込まれなければ時価評価必要
  • 加入時の時価評価については組織再編税制と同様の要件を充足すれば評価不要に

 

3.開始・加入時の欠損金の取扱い 

  • 時価評価法人は開始・加入前の欠損金が切捨てになる
  • 時価評価不要法人の開始・加入前の欠損金は原則特定欠損金となるが、下記の制限を掛ける
  • 制限の内容は以下のとおり。支配関係発生から5年経過日と開始・加入から3年経過日まで制限が行われる

  1. 支配関係発生後に新たな事業を開始した場合:支配関係前に生じた欠損金と支配関係前から有する資産の実現損からなる欠損金を切り捨てるとともに、支配関係前から有する資産の開始・加入後の実現損を損金不算入とする
  2. 原価と費用の合計額に占める減価償却費の割合が30%を超える場合:通算グループ内で生じた欠損金について損益通算の対象外とした上で特定欠損金とする
  3. 1と2以外の場合:通算グループ内で生じた欠損金のうち、支配関係発生前から有する資産の資産の実現損からなる欠損金について損益通算の対象外とした上で特定欠損金とする

  • ①親法人との間に支配関係が5年超ある法人や②組織再編税制と同様の要件を満たす法人は上記制限の対象外とする

以上、急ぎ記載しておりますので誤り等ありましたらご容赦ください。ご参考まで。

 宮口

【税制改正大綱速報①】令和2年度税制改正大綱が公表されました

2019年12月13日

政府与党より令和2年度税制改正大綱が公表されました。

1.法人課税

連結納税制度のグループ通算制度への移行が一番の目玉です。基本的には制度の使い勝手を上げる改正ですが局地的には不利になる項目も出ることが想定されます。

その他ではオープンイノベーション目的のベンチャー投資について投資額の25%の損金算入が認められる点が大きい改正になります。
租税回避に悪用される懸念がありますので法令や政省令でどのような限定がかけられるかが今後の着目点と思います。

M&Aについてはソフトバンクグループの節税策を契機とした配当後の株式譲渡による節税防止規定が導入される一方、株式対価M&Aに係る株主課税の繰延べ措置は導入が見送られました。

法人課税の詳細については年明け発行の旬刊経理情報に解説記事を寄稿しますので興味のある方はご覧いただけると幸いです。

2.個人課税(富裕層関連)

経産省が導入を要望していたM&A版事業承継税制は導入が見送られました。継続検討されるようですが個人的には導入はかなりハードルが高いと思っています。

国外中古建物の不動産所得が赤字になった場合、減価償却費はなかったものとされます。アメリカの中古不動産投資による節税策を規制する改正です。

居住用賃貸建物の居住部分については仕入税額控除が一切認められなくなります。マンション建設に伴う消費税の還付問題は納税者と税務当局のいたちごっこが続いていましたが、自販機スキームに代わり一部ではやっていた金取引スキームも封じ込められることになりました。

以上、速報まで。

宮口

保険税務の大改正

2019年07月12日

2019年6月28日に法人税基本通達が改正され、法人保険についての税制が変更されました。40年ぶりの大改正とのことです。

解約返戻金のある保険については2019年7月8日以降の新規契約分から適用となります。
通達公表即施行ですし、春先は保険会社が節税保険の販売を自粛していたようですのでる駆け込み購入も難しかったようです。なお、既存の契約は影響はありません。

改正の要点は以下の通りです。
①従来、商品別に決められていた損金算入の扱いを一本化:対象は長期平準定期保険や逓増定期保険などの定期保険や第三分野保険など
②最高解約返戻率が50%以下の商品については保険料は全額損金算入
③最高解約返戻率(85%超)の商品については最高返戻率となるまでの期間(最低5年)について以下の金額を資産計上
(例えば解約返戻率90%の保険の場合、当初10年間は保険料の81%が資産計上されるため19%しか損金計上できないことになります。)

 当初10年間:支払保険料 ✖ 最高解約返戻率 ✖ 0.9
 11年以降:支払保険料 ✖ 最高解約返戻率 ✖ 0.7 

上記改正により、従来のような高返戻率かつ高率損金算入という役員保険はなくなりました。今後、各社から新通達をベースとした商品が販売されることになるとは思いますが(例えば確定の返戻率は低めに抑えつつ、運用益を追加還元する保険など)、実質ノーリスクで課税が繰り延べられる商品の開発は中々難しいのではと考えています。

既存契約は対象外とされたのが救いですが、既存契約の解約時の出口戦略につき他の保険への乗り換えができなくなってしまったのが悩ましいところです。

代替案ですが、養老保険によるハーフタックスプランは今般の通達改正の対象とはならなかったので今後も適用可能ですが、原則は全従業員を対象とした福利厚生とする必要があるので役員など特定者のみ対象とした取り扱いは役員賞与認定されるリスクがあります。

もしくは資金が寝る分、保険よりは使い勝手が悪いですが、オペレーティングリースなども商品によっては保険よりも早期償却できるので検討の対象に加えてもよいかもしれません。

今後の保険会社の動向もウオッチしていきたいと思います。

太陽光・バイオマス発電事業と税務論点

2019年04月13日

最近太陽光発電やバイオマス発電の財務モデル検証の依頼をよく受けます。発電事業は電力会社のへの売電価格が決まっているため損益計画が立てやすいことから、融資やリース契約にあたって精緻な事業計画(キャッシュフロー計画)の作成が求められるケースが多いです。事業計画においては税金が重要な考慮点となりますが、発電事業については特有の論点が多々あります。

以下、備忘のため税務上の論点を整理しますのでこうした業務に関与される方のご参考まで。不完全な情報もあり記載内容につき責任は負いませんのであしからず。

1.全体ストラクチャー
①事業主体による直接運営の他、倒産隔離を目的としてTK-GKスキーム(一般社団(SH)が合同会社(GK)を設立、実際の運営資金は投資家が匿名組合(TK)出資で入れて利益を吸い上げる)を用いることも多い
②発電設備の購入資金は借入、割賦、リースにて調達することが考えられる
③種々の目的でリースバック、割賦バックを行う場合があるがその際はリース会計及びリース税務の取扱いを検討する必要がある

2.法人税
①従来、グリーン投資減税による発電設備の即時償却制度があったが現在は原則終了
②太陽光発電設備の耐用年数は全量売電で17年、自家消費の場合は事業内容により変動
③電力会社に支払う連携工事負担金は繰延資産として15年償却(国税庁質疑応答事例あり)
④FITの権利を外部から取得した場合、繰延資産に該当すると整理して発電期間に渡り償却(営業権の取得として5年償却もあるか?)

3.事業税
①電気供給業(電力会社が行う電気供給業の他、太陽光・風力・地熱・水力・バイオマスなどを利用した再生可能エネルギー売電事業)に係る法人事業税は,収入金(売上)に対して1.3%課税
②事業税は損金算入でありプロジェクション策定上は他の経費と同様に考えればよい

4.消費税
①設備取得につき多額の仮払消費税が計上されるため、還付を受けるために課税ステータスに留意
②TK-GKスキームでGKの利益をゼロにしても、匿名組合分配金は消費税不課税でり、消費税負担は生じる可能性が高いため資金繰りに留意

5.固定資産・償却資産税
①土地建物は固定資産が固定資産税評価額の1.4%課税。建物の償却ロジック(再取得価格×経年減価率。残存簿価20%)は法人税と異なるため留意
②農地を転用して発電事業を行う場合、地目が雑種地に変更されて固定資産税が増加。この点、ソーラーシェアリング(農業と発電事業の兼営)であれば支柱部分の一時転用であり税負担はあまりかわらない。
③設備は償却資産税の対象。法人税とは異なり旧定率法による償却後簿価の1.4%課税。また圧縮記帳や即時償却の取り扱いも異なるため留意

6.源泉所得税
①匿名組合分配金は20.42%の源泉徴収必要。分配金の支払日の翌月10日に納付

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