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生命保険を用いた節税策

2016年09月23日

ポピュラーですが生命保険を用いた法人の節税策についてまとめます。

1.基本形

 よくあるケースは役員退職金の支給原資確保のため社長を被保険者とした逓増定期保険に加入するケースです。保険料は1/2が損金算入されるケースが多いですが、加入から4~5年後に解約返戻率が85~95%と高率になるため、退職の5年前程度に加入するケースが多いです。
 例えば死亡保険金1億円、年間保険料26百万円の定期保険に加入し、4年間保険料を支払った上で、5年目に解約し、累計保険料の90%の解約返戻金を退職金として支払った場合の収支は以下のように計算されます。なお、法人実効税率は35%と仮定します。

1年目~4年目:累計支払保険料▲104百万円(26百万円×4年)+累計節税効果18百万円(26百万円×1/2×法人実効税率35%×4年)=▲86百万円(①)
5年目:解約返戻金94百万円(104百万円×90%)-税金0=94百万円(②)

解約時の税金がゼロなのは退職金として94百万円支払うためで、保険会社の営業用資料では②÷①で、返戻率109%などと表記されますが、保険契約単体で考えると単に利益を繰延べているだけであり、10%のコストを支払っているに過ぎない点は気を付ける必要があります。ただし、退職金や設備投資など将来に損失が生じることが明らかなのであれば利益を繰延べて損金効果を前倒しでとるメリットが生じます。また、業績変動が激しい会社なども黒字の時期に保険加入しておき、利益を平準化することがまさにリスクヘッジとなります。

さらに保険料の損金算入により、課税所得を引き下げることにより、類似業種比準方式や純資産価額などの税務上の株式評価額も低下しますので、事業承継対策に活用することも有用です。

2.応用形(低解約返戻金型逓増定期保険の譲渡)

これは、契約当初は解約返戻率が極端に低く、ある時点で高くなる「低解約型逓増定期保険」を用いて会社の所得を個人にシフトすることで節税を図るスキームです。
 例えば上記1に記載した逓増定期保険の解約返戻率が4年目終了時点では10%と仮定した場合、4年間、会社で保険料を支払った上で社長に時価(解約返戻金額)で譲渡し、5年目に社長が解約した場合の収支は以下のようになります。なお、社長の所得税率は仮に20%で計算しています。

(法人)
1年目~4年目:累計支払保険料▲104百万円(26百万円×4年)+累計節税効果18百万円(26百万円×1/2×法人実効税率35%×4年)=▲86百万円(①)
4年目末:譲渡代金10百万円(104百万円×返戻率10%)+税効果15百万円((譲渡代金10百万円-保険積立金52百万円)×35%)
   =15百万円(②)

(社長)
4年目末:譲渡代金▲10百万円(③)
5年目:解約返戻金94百万円-所得税8百万円(((返戻金94百万円-取得価格10百万円-控除額0.5百万円)×1/2)×20%)
   =86百万円(④) ①+②+③+④=5百万円

返戻率による10%の費用負担はあるものの、法人で費用を計上し35%の税効果を取りつつ、個人では一時所得として低率課税を受けることで節税が図れることになります。ただし、近年税務当局もこうした節税策を問題視しつつあり、平成30年1月以降の名義変更については保険会社が税務署に提出する法定調書に記載されることになったため、通達の改正や執行も含めて留意する必要があります。

宮口

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